両式テニス

軟式・硬式どちらのテニスも同時に楽しむ新しいテニス理論

硬いと飛ばないの?

ナツですハート(トランプ)

 

反省はしましたが、反省した上で、やっぱりアクセス数は気にせず、私の好きな話を展開していきたいです。

 

私は、昔スナップバックの呪いにかかっていました。

 

そういえば、このことも詳しくもっと話そうと思っています。

 

スナップバックの呪いをかけられてポリガットに変更した後、私は「ゆるゆるガット」の呪いにもかかってしまったのです。

 

この呪いにかかると

 

硬いと、ボールのコントロールができない

 

硬いと、飛ばない、非力な人はボールの威力が落ちる

 

硬いと、肘を痛める

 

などと呪文をかけられ、なかなかその呪いを解くことができなくなります。

 

この呪いが、今まさに解けようとしているので、どうしても話したいんです。

 

では、硬式テニス経験者のみなさん、ここに60ポンドと30ポンドのストリングを張ったラケットがあります。軟式テニス経験者の方は、35ポンドと20ポンドのストリングのラケットがあると想像してください。

 

この2種類のラケットを使って、あなたがより遠くにボールを飛ばせると思うラケットはどちらのテンションのラケットですか?

 

力加減、打ち出し角度、回転量は自由にして下さって構いません。

 

単純に、自分で持っているボールをラケットで打って遠くに飛ばすと想像してください。(実際にやらなくて良いですよ、想像で

 

どうですか?

 

この質問、おそらく、意見が分かれると思います。

 

真実は、飛距離は同じになるからです。

 

その同じ理由は、

 

ストリングとボールの反発係数は、ストリングの素材やテンションの違いによって変わらない

 

からです。

 

ボールが当たって跳ね返る瞬間には、ストリングはボールと接触してたわみ(ストリングが伸びて)、素材やテンションがなんであっても、硬式ならテンション200ポンド以上(軟式なら、もっと低いと思います。)に匹敵する面剛性(俗に面圧と呼ばれることもあります)のストリングに変化し、ボールを跳ね返しています。

 

つまり、ストリングの素材やテンションの高低の反発によるボールの飛びに違いはなく、ボールの飛びや威力は、主にスイングスピードとボールの速度で決まるのです。要するに、ボールとストリングの衝突速度ですね。

 

ストリングとボールは、接触すると、ストリングはたわんで伸び、ボールは潰れて変形します。

 

この撓み(たわみ)と潰れによって、ストリングとボールはある一定の値まで硬化すると、反発し合い、ボールは飛んでいくのです。

 

柔らかいままでは、物体は反発しません。

 

ボールやスイングスピードが速いと、つまり衝突スピードが速いと、このボールが飛び出す値まで両者が硬化する時間が早くなるので、ボールとストリングの接触時間は短くはなります。

 

テンションがあらかじめ高ければ、ボールが飛び出す一定の値まで硬化する時間が早くなるので、接触時間は早くなるでしょう。

 

つまり、(つまりが多いですねテンションや素材が変われば、ボールとストリングの接触時間は変わりますが、ボールが飛び出す瞬間の

 

たわんで伸びたストリングの硬さ

 

潰れて変形したボールの硬さ

 

は同じになるので、ストリングのテンションや素材によって反発係数は変わらないんですね。

 

接触時間が変わるというのは、俗にいう「たま持ち」というものかしら。

 

でもね、テニスのボールとストリングの接触時間は全体でも1000分の3秒です。

 

その中で、テンションや素材、衝突速度による接触時間の違いというと、これは正確になデータはありませんが、普通に考えて、接触時間全体で1000分の3秒なんですから、その違いは、せいぜい1000分の1?いえいえ、3分の1も違うとは考えにくいので、1万分の1秒とか2秒、5秒?とか

 

実際には、その接触時間の違いを、人は感知できないはずです。

 

じゃあ、なんで実際には感触に違いがでるの?というと、それは以前話したように、打球感はボールが飛び出した後に感じる音やストリング、ラケットから伝わる振動にストリングのテンションや素材による違いで判断してるからです。

 

その違いで、人は勝手に、本当はその直接の違いはわからないのに、間接的な打球後の感触の違いを感じ取って「接触時間が長かった(たま持ちが良かった)」「硬かった」「柔らかかった」と言っているだけなのです。

 

硬くても、飛びは変わりません。

 

気のせいなんです。

 

ナツでしたテニス